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BL/帥芭
5年振りにあった帥仙さんは顎に髭なんか生えててちょっと近寄りがたい感じになっていた。
もう眼帯は付けていないらしく、赤茶けた前髪を垂らして右目を隠している。
だけど煙草の銘柄は変わってなくて、待ち合わせ場所に選んだ古臭い喫茶店の窓際の席で懐かしいフォルムの箱を揺らして一本引き出し唇に挟んだ。
シャツの胸ポケットからジッポを取り出し掌の中で火を点けながら目線を上げて漸く俺に気が付いた。
煙草を咥えたまま口の端を持ち上げてニヤリと笑う。
「久し振りだな。」
うん、と頷いて椅子を引き腰を降ろした。
俺もジーンズのケツからクシャクシャになった煙草と百円ライターを取り出す。
タイミングの悪いことに箱の中には一本も残ってなかった。舌打ちを漏らして握り潰す。
帥仙さんが残った左目で俺を見遣り黒いJPSを差し出した。
「あ、すんません。」
一本もらって火を点ける。久々に口にしたJPSは苦く濃く喉を通った。
ウェイターが注文票とお冷やを乗せたトレイを持ってつかつかと歩み寄る。
もくもくと広がる煙に顔をしかめたウェイターは美人だった。
「ご注文はお決まりですか。」
「アイスコーヒー二つ。」
俺が口を開く前に帥仙さんがさらりと答える。
「ただ今ランチサービス期間中で…」
ウェイターが続けて口を開く。
いらない、と声を出そうとした瞬間汚いテーブルの下で帥仙さんの膝が俺の膝を割った。
器用に太股をなぞり上げる。ぐいぐいと強く押す。
指先が震えた。煙草の灰が細かくテーブルクロスに散った。
顔を上げるとにやにやと笑っている。
未だ早口でまくし立てているウェイターに唇を噛んで「いらねえ。」と答えた。
今から始まるであろう悪夢めいた陳腐な関係に眩暈がした。
きっと俺はまた帥仙さんを求める。
もう眼帯は付けていないらしく、赤茶けた前髪を垂らして右目を隠している。
だけど煙草の銘柄は変わってなくて、待ち合わせ場所に選んだ古臭い喫茶店の窓際の席で懐かしいフォルムの箱を揺らして一本引き出し唇に挟んだ。
シャツの胸ポケットからジッポを取り出し掌の中で火を点けながら目線を上げて漸く俺に気が付いた。
煙草を咥えたまま口の端を持ち上げてニヤリと笑う。
「久し振りだな。」
うん、と頷いて椅子を引き腰を降ろした。
俺もジーンズのケツからクシャクシャになった煙草と百円ライターを取り出す。
タイミングの悪いことに箱の中には一本も残ってなかった。舌打ちを漏らして握り潰す。
帥仙さんが残った左目で俺を見遣り黒いJPSを差し出した。
「あ、すんません。」
一本もらって火を点ける。久々に口にしたJPSは苦く濃く喉を通った。
ウェイターが注文票とお冷やを乗せたトレイを持ってつかつかと歩み寄る。
もくもくと広がる煙に顔をしかめたウェイターは美人だった。
「ご注文はお決まりですか。」
「アイスコーヒー二つ。」
俺が口を開く前に帥仙さんがさらりと答える。
「ただ今ランチサービス期間中で…」
ウェイターが続けて口を開く。
いらない、と声を出そうとした瞬間汚いテーブルの下で帥仙さんの膝が俺の膝を割った。
器用に太股をなぞり上げる。ぐいぐいと強く押す。
指先が震えた。煙草の灰が細かくテーブルクロスに散った。
顔を上げるとにやにやと笑っている。
未だ早口でまくし立てているウェイターに唇を噛んで「いらねえ。」と答えた。
今から始まるであろう悪夢めいた陳腐な関係に眩暈がした。
きっと俺はまた帥仙さんを求める。
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